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ひどびちゃんC.gif [10395]ちびすけのこと。 <ねこた> 2015/9/13(Sun) 16:37:35
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我が家の猫の動きは、ずっとここに収めているので。
この子を仲間はずれにするわけには、やはりいかないかなぁと。
ここに書いておくことにしました。

台風が日本の近くを通過しながら秋雨前線を刺激して、東日本で大きな大きな被害をもたらしたあの日。9月9日でしたか。
夕方・・・とはいってももう暗くなっていました。降り続いていた雨がやや小康状態になったので、わんこにーちゃんを連れておさんぽに出かけた私。
いつもの公園にさしかかったとき、その声は、わんこにーちゃんの耳に入ってきました。
かすかな、でも必死で助けを求める「みー。みー」
わんこにーちゃん、その声に即反応。興味津々です。必死でリードを引っ張って、声の主に近づこうとします。
最初、私には聞こえませんでした。小康状態とはいえ、雨も降ってたし。
わんこにーちゃん、まぁたノラ猫しゃんでもみつけたかしら。何引っ張ってんのよ、ちょとほら! 行くわよ!
引っ張られたリードを無理矢理ひっぱり返そうとした私の耳にも、その声は届きました。「みー。みー」

正直、聞きたくなかったです。
もうこれ以上、猫を増やす気はまったくなかったし。しかもこの声。まだ小さな小さな子猫に違いありません。仕事をしている今、ミルク飲み子猫を育てる余裕は、私にはまったくありません。
なのになのに。なのに。
見て、しまったんですね。私。その子を。

獲物と判定し、嬉々として襲いかかろうとするわんこにーちゃん(おいこら・・・)を引き留め、少し離れたところにリードをつなぎ。
わたくし、単身でその「みー。みー」に近づいてみました。

5年前、私たちの行く手を阻むようにずりずりと這いながら必死で泣き叫んで近づいてきたあのちびにゃ〜ず(あれからもう5年もたつんですよ。それはまたそれで、びっくりです)の時とも異なり。今回の猫は、自力で這うことさえできませんでした。
雨に打たれてただ横になったまま、それでも声だけは必死で「みー。みー」と、誰にともなく訴え続けていたのでした。
 



ひどびちゃんC.gif [10405]でもって <ねこた> 2015/9/13(Sun) 20:16:05

いろんな思いが、アタマを通り過ぎました。
育てられる余力は・・・ないよね。そもそも昼間のミルク、どうすんの。
いくら短時間の勤務形態にしてもらってるとはいえ、それでも日中8時間以上は家にいない私。
ちょっと忙しくなると、それが10時間とか12時間とかになることも。
乳飲み子なんて、絶対無理。

雨は小康状態とはいえ、このあとまた強く降ることはわかっていました。
天気が悪いせいで、公園の人通りはほとんどなく。
私がこのまま見捨てて帰ったら、この子はきっと今夜のうちに死ぬでしょう。

「みー。みー」 
まだ目も開いていない、ほんの小さな猫でした。

どうするかは、あとで考えよう。
とにかく今は、これしかない。思い切って、子猫を手にすくい上げます。

繋留していたわんこにーちゃんの元に戻り。
「いーい、にーちゃん。これ、おかさんのだからね。おかさんの。そっとだよ。そっとね」と言い聞かせつつゆっくり見せると・・・。
意外と落ち着いて「ふんふんふん」とニオイ嗅ぎ。5年前のちびにゃ〜ずのときと同じ反応です。
あ、よかった。これならとりあえず一緒に連れて帰れるかな・・・
と思った瞬間、「ぱくっ」
ひええええええええええっ(真っ青)
あと一瞬、私の反応が遅かったら・・・いやいや、それは考えまい。

「おかさんのだって言ったでしょ!」とわんこにーちゃんを怒鳴りつけ。
それにしても、だ。
片手にカサ、片手にリードのこの状態で、どうやってちび猫を持ち帰ろうか、うーん。
周囲に誰もいないのをいいことに、シャツの裾をめくりあげてそこに猫を包み込み。左手でそっとおさえます。
右手に犬のリードとカサを同時に持ち。
「おかさん、そこに持ってるのは、ごちそう? それともおもちゃでち?」と無邪気にシャツのふくらみに飛びかかってこようとする犬を、カラダで制止しつつ。そうこうするうちに、小康状態だった雨がまたイキオイを盛り返したりなんかもして、なんなのいったい。誰か助けて。
それでもまあ、なんとか必死で1kmほどの帰路を歩きとおしたのでした。ぜいぜい
 




ひどびちゃんC.gif [10406]連れて帰ってはみたものの <ねこた> 2015/9/13(Sun) 20:20:18

我が家には、子猫グッズはすでに何も残っていません。
5年前に活躍した哺乳瓶は、その1年後に友人が拾った子猫を育てるためにもうひと頑張りしてもらい。その子が里子に出るときに、一緒につけてあげたのでした。ミルクだってもちろん、残っていません。残ってても使えないけど。
とにかく哺乳瓶とミルクをなんとかしなくては。このままだと朝までに飢え死にしちゃうかも。
近所のペットショップはもう閉店しています。どうしよう。どどどどうしましょう。

そこへ、救いの神が。
台風の影響で交通機関が乱れるのを恐れ、早めに帰ってきた救世主ぱんだくん。
玄関先にびしょ濡れで突っ立ってる彼の鼻先に、例の「みー。みー」を押し付け。「どどど、どうしよう!!」と叫ぶ私。

彼は何も言わずに、ええ、文句ひとつ言わずに。部屋から車のキーをとり。そのまま車を走らせてくれたのでした。
時刻は20時少し前。目的地は、家からやや離れたところにある少しだけ大きいペットショップ。
が、閉店してしまった後でした。どうやら19時半までの模様。
急遽、目的地を隣の区にあるペットショップに変更します。雨はどんどんひどくなる。フロントガラスからも、もう前が見えないイキオイ。冗談抜きで、死ぬかと思いました。
とりあえず運転手に運を任せ、私は手持ちのiPhoneで、これから行くペットショップの情報を探します。
あ、あった。でも閉店時間20時。ひーーーー。あと5分かよ!
 
どうしよどうしよ。絶対間に合わないぃぃぃぃ!! と叫ぶ私に、ぱんだくん「とりあえず電話しとけ」とひとこと。
あ、ああ。ああ、そうですね。そりゃそうですよね。冷静なご意見をありがとう。
言われるままにペットショップに電話をし。
「子猫拾っちゃったんです。すごく困ってるんです。あのあのあの。ミルクと哺乳瓶が必要なんです。おいてらっしゃいますよね? でももう閉店ですよね。あと1分ですよね(このとき19時59分でした) あと5分! あと5分で着きますので、開けておいていただけませんかーーーっ!」必死で訴えると、お店の方、快諾してくださいました。
たたた助かったー
 





ひどびちゃんC.gif [10407]さて、次は・・・ <ねこた> 2015/9/13(Sun) 20:24:05
 
ミルクと哺乳瓶を購入し、お店の方に何度もお礼を言って。再び車中の人となるワタシ。
あんなに激しく降っていた雨が、またもや小康状態となっていました。さっきのイキオイは、なんだったのよ。

とはいえ。まだまだ問題山積。
こんなちび猫、最低でも3時間に1回は哺乳が必要でしょう。明日はまだ木曜日。仕事あり。
しかも締切のあるジョブを抱えているところで、どうにもこうにも休みがとれない。うむむむ。

そこへまた、もうひとりの救世主から連絡が。

実はわんこにーちゃんとちび猫を必死で連れ帰ってくる途中、近所の犬猫友宅を緊急訪問したのでした。
少し前(とはいっても、あとでよく考えたらもう3年くらい前になるのかも 汗)にやはりミルクで子猫育てをしたこのお宅なら、もしかして哺乳瓶やらミルクやらが残っているのではないかと。
わずかな期待を持って突撃したのですが、残念ながらこちらのお宅にももう何も残っていないとのことでした。

その彼女から、「子猫、どうなりました? 大丈夫?」のLINE。
「ぱんだくんが偶然早く帰ってきたので、車出してもらってなんとかなりました。ありがとー」と返信。
すると「うちではもう子猫を増やすことはできないけど、昼間のミルクの世話くらいなら引き受けますよ」と、信じられないくらいありがたいお言葉・・・!

衝動的に拾ってきておいて、他人様にご迷惑をかけるのもいかがなものかとは思うのですが。
ここはもう、どうにもならない。すみませんすみません。ご好意に甘えさせてください(>_<)
 






ひどびちゃんC.gif [10408]その夜 <ねこた> 2015/9/13(Sun) 20:30:10
 
ミルクの作り方なんかすっかり忘れてしまっていましたが、袋に書かれている作り方を参考に、なんとかミルクを作り、哺乳瓶に入れます。
さあ、ちびすけ。飲め。

・・・・・。一応くわえはしたものの。飲んだのか飲んでないのか?
哺乳瓶の中身は一向に減りません。
体重157gほどの、目の開いていない子猫。ネットで調べたところおそらく生後一週間でしょう。
生後2週間だと推定されたちびにゃ〜ずのときは、目に見えてミルクは減っていきましたが。生後一週間て、こんなものなのかしら?

先ほどの犬猫友にLINEで連絡すると、「うちの子のときは、獣医さんで哺乳瓶の乳首の穴をかなり大きくしたよ。穴が小さいと子猫の力では吸いにくいからって」との返信が。
あぁ、そういえば。忘れていたけど、そういえばちびにゃ〜ずのときも、同じ先生に教えていただいて穴を大きくした記憶がある!
哺乳瓶の乳首には、予め十字の小さな切り込みが入っているのですが、ハサミを使ってこの切り込みを大きくします。哺乳瓶を逆さにすると、じんわりとミルクが落ちてくるくらい。
よし、これでどうだ。飲んでみろ、ちびすけ!

・・・一応、吸い付いてはくるものの。
やはり目に見えるほどの量は減りません。やっぱり生後一週間てこんなものなのかなぁ?

ティッシュを丸めておちりをつんつんすると、おしっこは出てきました。
それからまたミルクを。減りません。
子猫のクチの中に、ほんのりミルクはついているので、まったく入っていないわけではなさそうです。

このままでいいのかわるいのか?
不安ではありましたが、とりあえず一晩中ちび猫につきっきりで、3時間おきにその作業を繰り返しておりました。

外では雨がどんどんひどくなり。遠くで雷も聞こえます。
となりの部屋のわんこにーちゃん、深夜の大雨に不安を感じるらしく、ケージの中でどたんばたんとややパニック状態。
そちらに声をかけてなだめつつ、ちび猫の様子をみつつ。
テレビでは、北関東での大雨と、予断を許さない状況であることをずーっと報道しています。
こうして不安な一夜が明けました。
 







ひどびちゃんC.gif [10427]翌朝 <ねこた> 2015/9/15(Tue) 7:35:57
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前日中に会社の上司に連絡をして、この日、午前中だけお休みをいただいていた私。
近所の獣医さんの開院時間を待ちわびて、先生に相談に行ってきました。
ご夫婦で経営されてる病院で、奥さま先生は小学生の頃から何十匹もの猫をミルクで育ててきたという超ベテランさんです。

※余談ですが※
ちびにゃ〜ずを拾ったとき、うちの子にするか里子に出すか迷っていた私に、その奥さま先生「ねこたさん。うちには今、8匹の猫がいるんですよ。猫はね、8匹いれば8匹分の幸せを持ってきてくれるんです。本当なんです」と力説していらっしゃったのですが。
その2年後だったかに、例の犬猫友が子猫を拾ったときには「うちには今、9匹の猫がいるんですが、9匹いれば9匹分の幸せを持ってきてくれるんですよ」とおっしゃったそうな。2年の間に1匹増えたらしい。先生やるなぁ(爆)
※閑話休題※

その先生に、ちび猫をざっとみていただいたところ、特に栄養状態は悪くないのではないかと。
哺乳瓶をくわえはするんですが、中身が一向に減らない気がするんですと訴える私に、「まだ小さいですからね、一度にそんなには飲めないってことじゃないでしょうかね。おなかもほら、ぽんぽこりんだから、飲めてはいるんだと思いますよ」と。
ただし、先生がティッシュでおちりを刺激すると、おちっこが出るわ出るわ・・・。私が家でやったときにはこんなには出ませんでした。
私のやり方があんまり上手じゃなかったようです。

そしてもう一点。
拾ったときから手足に小さな傷があったのですが、それが化膿したみたいになってる。
小さな傷なので、私はあんまり気にしていませんでしたが、先生はどうやらそれがとても気になるようでした。。
さらに、おへその周りが青く変色していることもあり。生まれたばかりの子猫ってこうなってるのかなぁと、これまたのんきに考えていた私とは対照的に、先生はやはりそれをかなり気にしてはいました。

受診を終え、家でもう一度ミルクを飲ませて、それから保母さんになってくれる犬猫友宅へ。
ちび猫と哺乳キット一式を彼女に託し、私は会社へと向かいました。
 








ひどびちゃんC.gif [10428]2日目の夜 <ねこた> 2015/9/15(Tue) 7:37:59
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この日も、きっかり定時の15時30分に席を立って帰りの電車に飛び乗り。
お迎えに行くと、犬猫友からアドバイスが。
「やっぱり哺乳瓶からだとなかなか飲まないけど、スポイトを使ったら案外飲ませられたよ。哺乳瓶を使うなら、乳首の穴をもう少し大きくした方がいいような気がする」

そうかー。そうなのかー。
受け取ったちび猫を家に置き、すぐさまスポイトを買いに走る私。
それから、哺乳瓶の乳首の穴も、アドバイスどおりさらに大きく広げてみました。
次の哺乳では、まず哺乳瓶を試し。やはり飲んではいるようですが、「もういらないにゃ」と言われたあとで哺乳瓶とちび猫の重さをキッチンスケールではかるも、どちらもほとんど変らない。
それではと、スポイト登場。ちび猫を抱き、口をあけたところにスポイトを入れて、ちゅー。とくに吐き出したりすることもなく、ちゃんと飲み込んではいるようです。
何度かそれを繰り返し、ちび猫も相当疲れてきたようなので終了。哺乳瓶が2g減。ちび猫は2g増。うーん。こんなもんかなぁ?
だけどね。
哺乳の前後に必ず体重をはかっていましたが、おそろしいことにただの一度も増えない。
というか、拾った最初の晩に157gあった体重が、このとき150gに減ってしまっていました。
1日10gずつ増えるといわれている子猫が。7gの減りですよ。
これは絶対まずいでしょう。

慌てて病院に電話をし、奥さま先生に相談すると「すぐに連れてきてください。ミルクも持ってきて」との指示。
診察終了ぎりぎりの時間に駆け込み、先生に事情を話しました。
哺乳瓶の乳首を点検し、穴の大きさもこれくらいあれば大丈夫でしょうとのこと。
で、先生が哺乳してみてくれたところ、哺乳瓶から少し飲んでくれました。
ただし、飲み方はヘタだし、吸うチカラも弱そうですねとは言われました。

「元気がなくなってきたような気がするんです。力強さも」と訴える私に
「まだ小さいですから、こんなものでしょう。正常の範囲だと思いますよ。力強さなんてまだまだ先のこと」と微笑む先生。
「でも、昨日はもっと元気だった気がするんです。鳴き声も大きかったし」
「雨の中で捨てられて必死で助けを求めてたわけですからねぇ・・・」
そういやそうか。そりゃ、出ない声も必死で出すわね。
じゃあ普通は、こんなもんなんだ。大丈夫なんだ。
納得して、帰宅。

それからまた一晩。3時間おきくらいに哺乳を繰り返しました。
さすがに二晩続けての完徹は無理なので、この日はちょっと寝ました。ベッドに寝てしまうと時間がきても起きられないことはわかっているので、リビングの床に転がって、仮眠。
3時間ごとにアラームをセットし、起きておしっこさせて哺乳。湯たんぽ代わりのペットボトルのお湯を入れ替えて、ちび猫を寝かせるとそれでだいたい1時間ほどかかります。
それから2時間寝て、また同じ作業の繰り返し。

哺乳前後の体重測定。おしっこをさせた時点で149g程度。どうかすると147gまで。
時間をかけてゆっくりゆっくりミルクを飲ませ。ちび猫も私もへとへとになったあたりでもう一度はかると150gとか151g。
次の哺乳時にまずおしっこをさせると、やっぱり147〜149。さっき飲ませた分がおしっこで全部出てしまう計算です。
しかも、最初の頃ははリチギに3時間ごとにみーみー鳴いていたちびすけが、このころからあまり鳴かなくなってきました。
  









ひどびちゃんC.gif [10429]そして3日目 <ねこた> 2015/9/15(Tue) 7:41:47
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またまた朝、犬猫友にちび猫を托し、定時きっかりに仕事を終えて迎えに行きます。
道中、電車の中から彼女にLINE。
どうですか? ミルク、飲みました?
彼女から、しばらく返信がありませんでした。きっと家事かなにかで手が放せないタイミングだったと思うのですが。
返信がない間、正直なところ私はある覚悟をしていました。

もしかしたら、ちび猫にはもう会えないのかもしれない。

小さい猫って、そういうものだと思っているので。
悪くなるときは急激に悪くなる。そしてあっという間にいってしまう。
猫だけじゃなく、犬もそうですけどね。
生まれたばかりのこの時期に体重が減っていること、それひとつとってもかなり危険なことなんだろうというのはわかっていましたから。

なので、少ししてからメッセージが既読になり、そして彼女から返信があったとき、一気に緊張が緩みました。
「哺乳瓶は押し返してきてどうしても飲まないので、スポイトで飲ませました。今日は一日中、まったく鳴きませんでした」
明るい内容ではないけれど、とにかくまだ生きてる!

最寄り駅から彼女に再びメッセージ
「今、駅につきました。これから迎えに行きます。夕方のミルクがまだなら、受け取ってから私がやります」
彼女から返信
「おしっこさせようとしたらうんちが出ました。今ミルクをやり始めたところです。やっぱり哺乳瓶は押し返してくるので、スポイトで飲ませようかと」
お。うんち! 我が家に来てからの初うんちだー。
「わかりました。ありがとう。だったらもうすぐ着くので、私が受け取ってそのままミルクと一緒に病院に連れて行ってみます」

彼女宅に到着すると、先ほどから何回かに分けてうんちがちょこちょこ出ており、その始末をしてくれている最中でした。
お礼を言って受け取り、その足でちび猫とともに奥さま先生の元へ向かいました。

今日は昨日より明かに元気がありません。先生の哺乳でも、ほとんど飲まず。
一応吸い付くのですが、中身は減りません。
「ミルク、変えてみますか? メーカーによって味がけっこう違うので、猫によっては好き嫌いがあるかも」と先生。
そういえば、ちびにゃ〜ずのときに一度、いつものミルクを切らしてしまって間に合わせに買った別メーカーのミルク、飲みが悪かったなぁと思いだし。
病院で扱っているミルクを売っていただくことにしました。
が。
先生がちょっと躊躇したのを、感じました。
このまま生きてくれるならいいんですけど・・・もしそうでないなら・・・ねぇ。
「もったいない」というニュアンスのことばを、口の中でもごもごと言いにくそうにつぶやく先生。

そうか。と思いました。
やっぱりかなり危険な状態であることは間違いないんだな。
 









ひどびちゃんC.gif [10430]新しいミルク <ねこた> 2015/9/15(Tue) 7:43:09

もちろん、迷わずミルクを買いました。
味が変ることで少しでも食欲が出る可能性があるのなら。とにかくもうなんでもいいから! という気持ちでした。
ちびにゃ〜ずのときもここのミルクにお世話になっていて、少なくともあの子たちはおいしいおいしいと喜んで飲んでいましたし。

購入した粉ミルクを使って、先生が哺乳瓶にミルクを作って来てくれました。
まずは先生が飲ませてみます。
昨日と比べるとさらに吸い付きは悪くなっていますが、それでもなんとか吸い始めました。ゆっくりゆっくり。
寝てるのか?(^^;)と思うほど、しばらく動きが止まったりもしますが、やがてまたかすかにあごを動かします。飲んでる? 飲んでるよね。

だけど、しばらくして体重をはかってみると、やっぱりほとんど変っていません。
飲めてないのか。

これだけ吸うチカラがないってことは・・・、と先生が言います。
内臓に障害があるとか、何か先天性の病気を持ってるとかも考えられますね。と。

そもそも、手足の小さな傷が化膿していることを先生は最初から気にしていました。もしかしたら免疫系に異常があるかもしれない、と思っていたそうです。
さらに、おへその周りが変色していること。以前先生が育てた子のうち一匹がちょうどこの子と同じ状態だったそうですが、ミルクもそこそこ飲んでるから大丈夫だろうと安心していたら、急に容態が悪くなり、あっという間に亡くなったとのことでした。

拾ったとき、近くに兄弟の姿がなくて一匹だけでいたことも考えると、この子は人に捨てられたわけではなくて、ノラの親に見捨てられたのかもしれませんね。と先生。
からだの弱い子は、親が育てようとしませんから。

うん、確かに。ノラの世界は厳しいですもんね。

そのとき、奥さま先生の担当の患者さんが病院にやってきました。
すると、奥さま先生
「ちょっと行ってきますけど、その後は患者さんが来ない限り、私、とことん付き合います。ママさん待合室で、さっきの要領で飲ませててください」

待合室の椅子をお借りして、ちび猫に哺乳瓶を含ませると。
やっぱり、少しだけあごを動かします。かすかにあごが動いてる。
確かに飲んでる証拠に、ほんの時折りですが、哺乳瓶の中に空気が入る「ぶぶぶ・・・」という振動を感じます。
なんとかなるかもしれない! と、かすかな希望がわいてきました。
  









ひどびちゃんC.gif [10431]最後の夜 <ねこた> 2015/9/15(Tue) 7:45:00
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患者さんの診察を終えた奥さま先生が、待合室に様子を見に来てくれました。
ちび猫が頑張ってる姿を見て、先生も少し安心されたようです。
この調子で飲んでくれたら、大丈夫かもしれませんね! と笑顔になりました。

お礼を言って帰宅し、早速ちび猫の体重をはかってみると・・・
変っていません。まったく変っていません。
頑張っていっぱい飲んだように見えたのに。実際には、ほとんどからだに入っていなかったってことでしょうか?

やや絶望的な気分が襲ってくるのを、無理やりはねのけて。
ちびすけ。今日、金曜日だよ。今夜からずっと、おかーさんついてるからね。明日と明後日はお休みだから。ふたりで頑張って、少しでも飲めるようになろうね!
と、話しかけました。
週末の間に少しでも体力をつけられれば、来週からまた保育ママさんのお宅にお世話になったときに、あちらのママさんにお手数かけずに済むんじゃないか、と思いました。
この週末が鍵かな、という気持ちがありました。

でも、ちびすけに「週末」は来ませんでした。
哺乳時間が来ても、ちびすけにはもう哺乳瓶に吸い付くチカラは残っていないようでした。
ぐったりと眠ってばかりいるちびすけを無理やり起こして哺乳瓶を咥えさせますが、いやがってクチから出そうとします。
先生に教わったとおりに、ちび猫のアタマをしっかり固定するのですが、それでもうまくいきません。
仕方ないのでスポイトを使って、少しずつ少しずつ飲ませました。
それでも、ちびすけの体重はまったく変りません。スケール壊れてんじゃないの? と思うくらい。
そして、ちびすけはどんどん弱っていきました。

最後の哺乳時にはもう、哺乳瓶を押し返すチカラもなく。だけど当然ながら吸うこともありませんでした。
スポイトで口に入れてみるとなんとか飲み込んではいるようですが、それでももう、ちびすけはへとへとになっていました。
最後の望みをもって体重をはかります。1gも増えていません。
ちびすけがこんなに大変な思いをしてるのに、本当に、まったく、これっぽっちも。

もう、いいね。
休もうね。
ちびすけに声をかけ、タオルでそのからだをくるんで、ひざに乗せます。
タオルの中の小さなふくらみに手を添えると、ぬくもりが伝わってきます。
ちびすけもきっと、このあたたかさを感じてくれているはず。

しばらくすると、しゃっくりのような呼吸をしはじめました。
合間に、小さく苦しそうな鳴き声。
今日になってから一度も鳴くことのなかったちびすけが、苦しそうな声で何度か鳴きます。
苦しいね、つらいね、と声をかけながら、その小さな頭を指でなでてやると、少し落ち着くようでした。
そのうち呼吸も静かになり、鳴くのもやみ。
ゴロゴロとのどを鳴らし始めました。
嬉しいときにのどを鳴らすのはよくある話ですが、苦しいときにも実はゴロゴロいうんだそうです。母猫に甘えたいとき、助けて欲しいときの音なんですって。
ごめんね、ごめんね、ちびすけ。おかーさん、何もしてあげられないよ。助けてあげられなくて、ごめん。
でも、あっためてあげるからね。きみが感じてる最後の瞬間まで、おかーさん、手でしっかりあたためてあげるからね。
やがて、ゴロゴロも止まり。静かな呼吸に戻りました。
平和に眠っているような、穏やかともいえそうな時間が流れ。

ちびすけが、いつ行ってしまったのか、正確な時間はわかりません。
おそらく、午前3時半過ぎだったと思います。日付が変って9月12日の土曜日になっていました。

水曜日の夜に我が家にやってきて、丸2日と数時間。
こんな短い間に、この子はいなくなってしまいました。
  








ひどびちゃんC.gif [10432]またね <ねこた> 2015/9/15(Tue) 7:47:14

運のいい子だと思ったのですけども。
雨の夜の公園。人通りなんてほとんどないところで、とにもかくにも人間に拾われた幸運。
近所のペットショップが閉まっている中、車を出してくれるぱんだくんがたまたま早く帰ってきた幸運。
昼間仕事を持っている私の代わりに、日中の世話を引き受けてもいいですよと言ってくれた神様みたいな友人がいた幸運。
そんないくつもの幸運を全部味方につけたこの子は、多少からだの弱いところがあっても、意外とあっさり生き延びるかもしれない。今のこの苦労が、笑い話になるのかもしれない。
なんて、思ってる部分も少しあったのですけど。

やっぱりそんなに甘くはなかったのでした。
幸運はそれほど長くは続かなかったということなのか、それとも、与えられた幸運を生かし切るための手伝いが不足していたのか。
ちびすけは頑張って生きようとしていたのに。雨の中、か細い声を振り絞って必死で助けを求めていたのに。

火葬場で。収骨の際に見たそれは、小さな小さなお骨でした。
触るとほろほろと崩れてきてしまうくらい、はかないお骨。
湯飲み茶碗よりも小さな骨壺に、それも半分とか3分の1とかでさえなく、下の方にわずかに収められたお骨。
小さかったんだなぁ。当たり前だけど。こんなに小さかったんだよね。

にゃぎちゃん、文蔵さん、ゆ〜ちゃく、しびきさん・・・。これまでに、長いつきあいの猫を何匹か見送ってきましたが。
乳飲み子を見送るときには、慣れ親しんだ子たちを送るのとはまったく違った悲しみがあるのだということを、今回私は初めて知りました。

何もしてあげられなかった感の強さ。
なんにもいいことのなかった短い生涯も、なんだかもう、かわいそうでかわいそうでかわいそうで。

ちびすけを火葬してきた日の夜。
近所の犬友と、家の前で立ち話をしていたらば。裏庭方面から「ちりちりちり・・・」と鈴の音が。
我が家の猫たちが首輪につけてる鈴と同じ音です。
しまった! うっかり網戸ロックかけ忘れた!? 誰か脱走したか?
大慌てで、室内にいたぱんだくんに声をかけると、「ちゃんと3匹いるよー」との返事が。
先ほど音が聞こえてきた暗闇に目を凝らしますが、なんの気配もありません。

もちろん、近所の猫が通りすぎて行ったのかもしれません。たまたま我が家の猫たちと同じ鈴を付けられた猫が、たまたま近くを通っただけで。
我が家の猫が3匹全員室内にいることが確認されたのだから、そう考えるのが一番妥当ですよね。
だけど、なんとなく。
もしかしたら、ちびすけだったのかなぁ。とも、思いました。ばかげたことだというのは百も承知で。
猫おばちゃんや猫にーちゃんたちがつけてるあの鈴を、ちびすけもつけて歩いてみたかったのかな、と。
なんとなく思いました。

ちゃんとした名前もないまま行ってしまったちびすけ。
火葬場で「骨壺にお名前を貼りますので」と言われたときにも、急ごしらえの名前を付ける方が余計にかわいそうだと、仮名だった「ちびすけ」のままにしていたのですが。
今朝、わんこにーちゃんとおさんぽしてる最中、ちびすけのことを思っていたら、ほんとに自然に「空(くう)ちゃん」と呼びかけていました。
名前を決めてあげようだとか、そんなことを考えていたわけでは、まったくないのですけど。

空ちゃん。雨と一緒に空から降りてきて、晴れた暖かい日に空に帰って行った空ちゃん。空気みたいに軽くてふわふわで頼りなかった空ちゃん。
うん、やっぱりぴったりかもしれない。生きてる間に名前を付けてあげられなかったけど、あの子は空ちゃんだったのかも。うん、きっとそうだ。

よし、空ちゃん。おかーさんは決めたよ。
おかーさんは、もっかいきみを育ててあげるよ。次に生まれたときも、うちにおいで。
今度こそ、なんとかして育ててあげるよ。
にーちゃん達と同じように、ちりちりちり・・・って鈴の音させて歩けるようにしてあげるよ。
きみも、次はもっと元気でやんちゃな子猫に生まれておいで。
ハルにーちゃんくらいのやんちゃなら、おかーさんなんとか耐えるよ。
できるだけ早く。おかーさんが猫の一生分の時間元気でいられる間に。戻っておいで。待ってるからね(^^)
 
※あ。画像はその時々のリアルタイムのものではもちろんなくて。数少ない空ちゃんの思い出写真の中から、順不同で掲載しています。
 
 


Kg-Bang 3.03-20030117
that took 0.02 CPU seconds.